COLUMN

NISA 対 iDeCo、どっちから始める?

どちらも運用益が非課税になる制度ですが、性格はまったく異なります。「併用できるか」ではなく「どちらを優先すべきか」を年代・年収別に整理します。

7つの違いを比較
NISAiDeCo
目的自由(老後資金以外もOK)老後資金専用
年間投資枠最大360万円職業により最大約81.6万円
拠出時の控除なし掛金が全額所得控除
引き出しいつでも自由原則60歳まで不可
受取時の課税非課税退職所得控除等はあるが課税対象
手数料口座管理手数料なし加入時・毎月・受取時に発生
商品ラインナップ投資信託・株式・ETFなど幅広い投資信託・定期預金・保険(元本確保型あり)
一言でいえば、NISAは「柔軟な投資口座」、iDeCoは「老後資金専用ロック」。性格が異なる2つの制度なので、優劣ではなく「今の自分に何が必要か」で選びます。
どちらを優先すべき?
多くの会社員はNISAが先

結論として、多くの会社員・共働き世帯は「NISAを先に始めて、余裕が出たらiDeCoを上乗せ」という順番がおすすめです。理由は流動性にあります。

NISAを優先すべき人

・結婚・住宅購入・転職などライフイベントが控えている
・所得税・住民税をあまり払っていない(節税メリットが小さい)
・老後資金以外の目的にも使いたい

iDeCoの優先度が上がる人

・年収が高く、所得税率が高い(節税効果が大きい)
・ライフイベントが一段落し、当面使う予定のない資金がある
・退職金が少なく見込まれ、退職所得控除を活用したい

💡 目安として、年収700万円を超えると所得税率が上がり、iDeCoの節税効果(掛金全額所得控除)がより大きくなる傾向があります。年収が高い人ほどiDeCoの優先度を上げて検討する価値があります。

年代別の考え方
20〜30代

結婚・出産・住宅購入などライフイベントが多い時期。まずはNISA(つみたて投資枠)月3〜5万円から。余裕があればiDeCoを少額(月1万円程度)で併用

40代

収入が安定し、所得税率も上がってくる時期。NISA+iDeCoの併用効果が最大化しやすい。教育費のピーク前に投資枠を作っておきたいタイミング

50代

老後まで残り10〜15年。iDeCoの節税効果を最大限に活用しつつ、受取時の退職所得控除と会社の退職金の受取順序・時期を事前に整理しておくことが重要

併用する場合の注意点
生活防衛資金を先に確保する:NISA・iDeCoを始める前に、生活費6ヶ月〜1年分程度は普通預金など、すぐに引き出せる形で確保しておくのが基本です。特にiDeCoは60歳まで引き出せないため、無理に拠出すると急な出費に対応できなくなります。
iDeCoの受取タイミングと退職金の順序に注意:2026年1月から、iDeCo一時金と退職金を両方満額の退職所得控除で受け取るには、原則10年以上の間隔が必要になりました(従来は5年)。60歳でiDeCoを一時金受給すると、退職金は70歳まで待つ必要が生じるケースもあります。受取設計は早めに考えておきましょう。
まとめ
  • NISAは「柔軟な投資口座」、iDeCoは「老後資金専用ロック」。性格が異なるため優劣ではなく目的で選ぶ
  • 多くの会社員は流動性の高いNISAを先に始め、余裕が出たらiDeCoを上乗せするのが基本
  • 年収が高く所得税率が上がる人ほど、iDeCoの節税メリット(掛金全額所得控除)が大きくなる
  • 併用は可能だが、生活防衛資金の確保とiDeCo受取時期の設計を忘れずに
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※ 本記事の制度情報は2026年6〜7月時点のものです。税制・拠出限度額は個人の状況や今後の制度改正により変動します。個別の税務判断は税務署・税理士にご確認ください。