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保険、どこまで入るべき?「損得」より大事な考え方

「保険は損」という話を聞いたことがある人は多いはずです。実はそれは事実に近いのですが、だからといって保険が不要というわけではありません。この記事では、保険の基本原則と、入るべき保険・入らなくていい保険の判断基準を整理します。

保険は期待値で見ると必ず「損」
そうでなければ保険会社は成り立たない

保険料は、事故が起きた時に支払う保険金の原資(純保険料)に加えて、保険会社の事務コスト・利益(付加保険料)が上乗せされています。契約者全体で見れば、支払う保険料の合計は、受け取る保険金の合計を必ず上回るように設計されています。そうでなければ保険会社はビジネスとして成立しません。

つまり、契約者一人ひとりで見れば「保険に入って得をする」ことは基本的にありません(実際に大きな事故に遭った一部の人だけが得をし、残りの大多数は払い損になります)。これは保険という仕組みそのものの性質であり、悪いことではありません。
では、なぜ保険に入るべきなのか
「損得」ではなく「破綻を避ける」ための備え

保険に入る本当の目的は、得をすることではなく、貯蓄では到底まかなえない規模の損失が起きた時に、生活が破綻するのを防ぐことです。

例えば、100万円を失う痛みと、1億円を失う痛みは、単純に100倍という以上の差があります。100万円なら貯蓄の取り崩しや節約でいずれ回復できますが、1億円(家を建て替え、かつ収入が途絶える、といった規模の損失)は多くの家庭にとって人生設計そのものが破綻するレベルの打撃です。保険は、この「回復不可能なレベルの損失」だけをピンポイントでカバーするために使うのが最も合理的です。

入るべき保険・入らなくていい保険の判断基準

判断基準はシンプルです。「もしその損失が起きたら、貯蓄・収入だけで対応できるか?」を自分の家計に当てはめて考えます。

入る意味が大きい

貯蓄・今後の収入では到底まかなえない、家計が破綻するレベルの損失(家の全焼・高額な損害賠償・大黒柱の死亡による収入途絶 等)

入る意味が小さい

貯蓄の取り崩しや家計のやりくりで対応できる程度の損失(小さな物損、短期間の入院費用 等)

💡 「免責金額(自己負担額)を上げると保険料が下がる」というオプションがあるのも同じ理屈です。小さな損害は自分で持ち、大きな損害だけを保険に移すことで、無駄な保険料を減らせます。

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身近な保険に当てはめてみる
種類ごとに考え方は変わる
火災保険・地震保険

建て替え費用は数千万円規模になり、ほとんどの家庭では貯蓄でまかなえません。「入るべき保険」の典型例です。詳しくは「火災保険、いくらかける?」で解説しています。

自動車保険

対人・対物賠償は、事故の内容によっては数億円規模の賠償責任を負う可能性があり、無制限での加入が基本です。一方、自分の車の修理費用をカバーする車両保険は、車の時価や貯蓄状況次第では自己負担でも対応できる場合があり、免責金額を上げる・車両保険自体を見直す余地があります。

生命保険(死亡保障)

本人が亡くなった場合に、遺された家族の生活が経済的に破綻するかどうかで必要性が決まります。扶養する配偶者・子どもがいる場合は必要性が高く、独身や共働きで各自の収入だけで生活が成り立つ場合は、必要以上に大きな死亡保障をかける意味は薄くなります。

医療保険

日本には「高額療養費制度」があり、1ヶ月の医療費の自己負担額には所得に応じた上限(年収目安370万〜770万円の世帯で月8万円前後)が設けられています。つまり公的医療保険の時点で「家計が破綻するレベルの医療費」が発生しにくい仕組みになっており、民間の医療保険の必要性は、他の保険と比べると相対的に小さいという考え方もあります。ただし、収入減少への備えや先進医療特約など、高額療養費制度でカバーされない部分を重視する場合は加入する意味があり、一律に「不要」とは言えません。

まとめ
  • 保険は期待値で見ると必ず払い過ぎになる仕組みで、それ自体は当然のこと
  • 入る目的は「得すること」ではなく「貯蓄でまかなえない破綻的な損失を避けること」
  • 「自己資金でまかなえるか」を基準に、入るべき保険・見直せる保険を判断する
  • 火災・地震・対人対物賠償は入るべき代表例、医療保険は公的制度とあわせて検討する
生命保険、いくら必要?を試算する →火災保険、いくらかける?を見る →老後資金いくら必要?を試算する →
※ 本記事は保険の一般的な考え方を解説するものです。実際の保険選びは、家族構成・資産状況・健康状態等により最適解が異なるため、保険会社・ファイナンシャルプランナー等の専門家にもご相談ください。