COLUMN

変動金利 対 固定金利、どっちを選ぶ?

2024年のマイナス金利解除以降、「金利のある世界」に本格的に戻りつつあります。過去の推移と今後の見通しを踏まえて、変動・固定それぞれの考え方を整理します。

金利の過去の推移
超低金利時代からの転換点

バブル崩壊後の日本は、長らく歴史的な低金利環境にありました。まずはその流れを振り返ります。

時期政策金利・金利環境
1990年代初頭バブル期。変動金利8%・固定金利5%超という高金利時代
1990年代後半〜2024年デフレ対策で約30年間低金利が継続。変動金利は0.2〜0.5%台まで低下
2024年3月日銀がマイナス金利政策を解除。「金利のある世界」への転換点
2024〜2025年段階的に利上げが続き、政策金利は0.5%→0.75%へ
2026年6月政策金利1.0%に到達。1995年以来31年ぶりの高水準
2026年6月時点の金利水準(目安)
変動金利
約0.9〜1.1%
固定金利(フラット35)
約3.2%
政策金利の今後の見通し

市場やシンクタンクの予測では、日銀は今後も段階的な利上げを続けるとの見方が有力です。

次回利上げの予想時期

市場では2026年12月頃の追加利上げを予想する声が多く、実現すれば政策金利は1.25%程度に到達する可能性があります。

中期的な到達水準の予測

住宅金融支援機構等の試算では、2027年6月末までに政策金利が1.6%程度まで上昇するシナリオが示されています。

変動金利と固定金利の金利差(2026年時点で約2%程度)を埋めるには、通常0.25%刻みの利上げがあと8〜9回必要という試算もあります。政策金利がそこまで大幅に上昇して初めて「固定の方が得だった」と言える計算です。ただし政策委員の人事など不確定要素も多く、利上げペースが鈍る可能性も残っています。
変動金利・固定金利、それぞれの考え方
変動金利が向いている人

・借入額が年収の5〜7倍以内など家計に余裕がある
・返済期間が短め、または繰り上げ返済で早期完済の見込みがある
・金利上昇時も返済額増を吸収できる貯蓄がある

固定金利が向いている人

・借入額が大きく、返済期間も長期にわたる
・金利上昇局面で返済額が変わる不安を抱えたくない
・教育費など今後の支出増が見込まれ、返済額を固定して計画したい

変動金利には「5年ルール」「125%ルール」という激変緩和措置があります。金利が上昇しても、返済額の見直しは5年ごと、増額幅は直前の1.25倍までに抑えられる仕組みです。ただしこれは支払いの先送りであり、増えた利息分は「未払利息」として積み上がる場合がある点に注意が必要です。

住宅金融支援機構の調査では、変動金利利用者の半数以上が金利変動リスクに不安を感じているというデータもあります。「今は変動が低いから」という理由だけで選ぶのではなく、金利が上昇した場合の返済額まで試算してから判断するのがおすすめです。
まとめ
  • 約30年続いた超低金利時代は、2024年3月のマイナス金利解除で転換点を迎えた
  • 2026年6月時点で政策金利1.0%(31年ぶり水準)。今後も緩やかな利上げが続く見通し
  • 変動・固定の金利差を埋めるには大幅な追加利上げが必要で、短期的には変動金利が有利な計算になりやすい
  • 家計の余力・返済期間・金利上昇への不安の強さで、自分に合うタイプを選ぶのが基本
変動・固定の返済額を試算 →住宅いくらまで買える?を見る →
※ 本記事の金利情報は2026年6〜7月時点の各種報道・金融機関公表資料をもとにしています。将来の金利動向を保証するものではありません。最新情報は各金融機関・日本銀行の公表資料をご確認ください。