「同じ予算なら新築か中古か」は住宅購入で必ず悩むポイントです。この記事では、まずメリット・デメリットを整理し、次に諸費用・住宅ローン控除・固定資産税・補助金というお金にかかわる4つの違いを解説。最後に同じ価格の物件を購入した場合、実際にどれくらいの差額が生まれるかを計算例で確認します。
諸費用(登記費用・ローン手数料・仲介手数料・火災保険等の合計)は、物件価格に対して新築は3〜6%、中古は6〜9%が目安です。差の主な原因は仲介手数料で、中古物件の多くは不動産会社の仲介を通すため、法律上の上限額(物件価格×3%+6万円+消費税)に近い手数料がかかります。新築(特に売主から直接購入する新築マンション・注文住宅)は仲介手数料が不要なケースが多く、諸費用を抑えられます。
住宅ローン控除(年末残高の0.7%を所得税等から差し引く制度)は、新築・中古どちらでも利用できますが、控除の対象になる「借入限度額」が中古の方が低く設定されています。限度額を超えた借入分は控除の対象外です。
| 住宅性能 | 新築の限度額 | 中古の限度額 |
|---|---|---|
| 認定長期優良・低炭素住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 3,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 2,000万円 |
| 省エネ基準未満 | 対象外 | 対象外 |
控除期間は、省エネ性能の高い住宅は新築・中古とも最長13年間、それ以外の中古住宅は10年間です(一般世帯の場合、子育て世帯・若者夫婦世帯は限度額が上乗せ。2026年度税制改正時点の制度)。一覧表の一般世帯の数値は「住宅ローンいくらかかる?」ページと共通です。
固定資産税は土地・建物の評価額に対して毎年課税される税金(標準税率1.4%)です。新築住宅は「建物」部分の固定資産税が、完成から3年間(3階建以上の耐火・準耐火住宅は5年間)にわたって1/2に軽減されます(床面積50〜280㎡の住宅が対象)。中古住宅を購入した場合、この軽減はすでに終わっているか、そもそも対象になりません。
国の住宅取得支援策(子育てグリーン住宅支援事業など)は、省エネ性能の高い新築住宅を対象にした制度が中心で、条件を満たせば数十万円〜100万円程度の補助が受けられることがあります。中古住宅にも自治体独自の補助金(耐震改修・リフォーム連動型など)は存在しますが、新築向け制度に比べると選択肢は限られます。補助金制度は年度ごとに名称・予算・条件が変わり、予算上限に達すると年度途中で終了することもあるため、購入を検討する年の最新情報を国土交通省や自治体のサイトで必ず確認してください。
条件:物件価格3,000万円・フルローン(自己資金0)・35年・金利1.5%・元利均等返済と仮定した概算です。
| 項目 | 新築 | 中古 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 諸費用(購入時) | 150万円 | 225万円 | 中古が75万円高い |
| 住宅ローン控除(13年合計) | 約228.5万円 | 約182.0万円 | 新築が46.5万円得 |
| 固定資産税軽減(3年間) | 20〜40万円軽減 | 軽減なし | 新築が20〜40万円得 |
この条件では、購入時の諸費用は中古の方が75万円高くなる一方、住宅ローン控除と固定資産税の軽減を合わせると新築の方が約66.5〜86.5万円有利になり、トータルでは新築側の負担が軽くなる計算です。
ここまでは購入時点でのお金の違いを見てきましたが、住宅は買った瞬間から資産価値が下がり始めます。新築は入居した時点で「中古」になり、特に木造の戸建ては最初の10〜15年で価値の下落が大きいのが一般的です。将来住み替えや売却の可能性を考えるなら、「今いくらか」だけでなく「何年後にいくらで売れそうか」も判断材料になります。中古を選ぶ場合、実はこの値下がりが比較的落ち着いた築年数を狙うという考え方もあります。詳しくは次のコラムで解説します。