COLUMN

新築と中古、どっちがいい?

「同じ予算なら新築か中古か」は住宅購入で必ず悩むポイントです。この記事では、まずメリット・デメリットを整理し、次に諸費用・住宅ローン控除・固定資産税・補助金というお金にかかわる4つの違いを解説。最後に同じ価格の物件を購入した場合、実際にどれくらいの差額が生まれるかを計算例で確認します。

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メリット・デメリットを整理
お金以外の違いも含めた基本比較
新築
メリット
  • 誰も住んでいない状態で、最新の設備・断熱性能
  • 現行の耐震基準(2000年基準)を満たしている
  • 引渡し後10年間、構造上の欠陥は法律で保証される
  • 住宅ローン控除の借入限度額が大きい傾向
  • 補助金制度の選択肢が多い
デメリット
  • 同立地・同面積なら価格が中古より高い
  • 完成前契約(青田買い)だと実物を見られない
  • 人気エリアでは新規物件の選択肢が少ない
中古
メリット
  • 同スペック・同立地なら価格が新築より安いことが多い
  • 実物を内見してから購入を判断できる
  • 人気の駅近・中心部でも物件が見つかりやすい
  • リフォーム・リノベーションで好みに合わせやすい
デメリット
  • 仲介手数料が発生し、諸費用が新築より高い
  • 住宅ローン控除の借入限度額が新築より低い(対象外の場合も)
  • 固定資産税の新築軽減が使えない
  • 1981年6月以前の「旧耐震」物件は耐震性に注意
  • 保証が限定的(既存住宅売買瑕疵保険等は別途加入)
お金の違い①:諸費用
仲介手数料の有無で大きく変わる

諸費用(登記費用・ローン手数料・仲介手数料・火災保険等の合計)は、物件価格に対して新築は3〜6%、中古は6〜9%が目安です。差の主な原因は仲介手数料で、中古物件の多くは不動産会社の仲介を通すため、法律上の上限額(物件価格×3%+6万円+消費税)に近い手数料がかかります。新築(特に売主から直接購入する新築マンション・注文住宅)は仲介手数料が不要なケースが多く、諸費用を抑えられます。

この目安(新築5%・中古7.5%の中間値)は、当サイトの「住宅ローンいくらかかる?」ページの初期値と同じ前提です。
お金の違い②:住宅ローン控除
借入限度額に新築・中古で差がある

住宅ローン控除(年末残高の0.7%を所得税等から差し引く制度)は、新築・中古どちらでも利用できますが、控除の対象になる「借入限度額」が中古の方が低く設定されています。限度額を超えた借入分は控除の対象外です。

住宅性能新築の限度額中古の限度額
認定長期優良・低炭素住宅4,500万円3,500万円
ZEH水準省エネ住宅3,500万円3,500万円
省エネ基準適合住宅3,000万円2,000万円
省エネ基準未満対象外対象外

控除期間は、省エネ性能の高い住宅は新築・中古とも最長13年間、それ以外の中古住宅は10年間です(一般世帯の場合、子育て世帯・若者夫婦世帯は限度額が上乗せ。2026年度税制改正時点の制度)。一覧表の一般世帯の数値は「住宅ローンいくらかかる?」ページと共通です。

お金の違い③:固定資産税
新築だけの時限的な軽減措置がある

固定資産税は土地・建物の評価額に対して毎年課税される税金(標準税率1.4%)です。新築住宅は「建物」部分の固定資産税が、完成から3年間(3階建以上の耐火・準耐火住宅は5年間)にわたって1/2に軽減されます(床面積50〜280㎡の住宅が対象)。中古住宅を購入した場合、この軽減はすでに終わっているか、そもそも対象になりません。

軽減額は建物の評価額・自治体によって幅がありますが、一般的な戸建てで3年間の合計で20〜40万円程度安くなるケースが目安です。評価額は土地の立地や建物の構造で大きく変わるため、正確な金額は購入予定物件の固定資産税評価証明書、または自治体窓口で確認してください。
お金の違い④:補助金
新築(特に高性能住宅)が有利な傾向

国の住宅取得支援策(子育てグリーン住宅支援事業など)は、省エネ性能の高い新築住宅を対象にした制度が中心で、条件を満たせば数十万円〜100万円程度の補助が受けられることがあります。中古住宅にも自治体独自の補助金(耐震改修・リフォーム連動型など)は存在しますが、新築向け制度に比べると選択肢は限られます。補助金制度は年度ごとに名称・予算・条件が変わり、予算上限に達すると年度途中で終了することもあるため、購入を検討する年の最新情報を国土交通省や自治体のサイトで必ず確認してください。

同じ価格ならいくら差が出る?計算例
3,000万円の物件(省エネ基準適合住宅・一般世帯)で試算

条件:物件価格3,000万円・フルローン(自己資金0)・35年・金利1.5%・元利均等返済と仮定した概算です。

項目新築中古差額
諸費用(購入時)150万円225万円中古が75万円高い
住宅ローン控除(13年合計)約228.5万円約182.0万円新築が46.5万円得
固定資産税軽減(3年間)20〜40万円軽減軽減なし新築が20〜40万円得

この条件では、購入時の諸費用は中古の方が75万円高くなる一方、住宅ローン控除と固定資産税の軽減を合わせると新築の方が約66.5〜86.5万円有利になり、トータルでは新築側の負担が軽くなる計算です。

⚠️ 「同じ価格」という前提での試算である点にご注意ください。実際には、同じ立地・広さでも中古の方が物件価格自体が数百万円〜安いことが多く、その価格差の方がここで計算した制度面の差額より大きくなるケースがほとんどです。新築・中古を選ぶ際は、この記事の制度差に加えて実際の物件価格そのものを比較することが最も重要です。
将来売却する可能性も考えておく
住宅の資産価値は築年数とともに下がっていく

ここまでは購入時点でのお金の違いを見てきましたが、住宅は買った瞬間から資産価値が下がり始めます。新築は入居した時点で「中古」になり、特に木造の戸建ては最初の10〜15年で価値の下落が大きいのが一般的です。将来住み替えや売却の可能性を考えるなら、「今いくらか」だけでなく「何年後にいくらで売れそうか」も判断材料になります。中古を選ぶ場合、実はこの値下がりが比較的落ち着いた築年数を狙うという考え方もあります。詳しくは次のコラムで解説します。

中古は築何年がお得?
資産価値の下落グラフと、お金の面で狙い目の築年数を解説
まとめ
  • 諸費用は中古の方が高く、住宅ローン控除・固定資産税は新築の方が有利になりやすい
  • ただし制度面の差額(今回の試算で数十万円規模)より、物件価格そのものの差の方が大きいことが多い
  • 補助金は年度ごとに変わるため、購入を検討する時期の最新情報を必ず確認する
住宅ローンいくらかかる?を試算する →住宅いくらまで買える?を見る →
※ 本記事は一般的な制度の解説です。税制・補助金は改正される場合があります。実際の金額・適用可否は物件条件により異なるため、詳細は税務署・自治体・不動産会社にご確認ください。