COLUMN

住宅ローン、借入先の選び方

住宅ローンは「金利が低い=お得」とは限りません。団信の保障内容、審査にかかる期間や通りやすさ、金利タイプの違いまで見て初めて、自分に合ったローンかどうかが分かります。ここでは比較すべき3つの軸を整理します。

金利
タイプの違いを理解する

住宅ローンの金利タイプは大きく3つに分かれます。それぞれ「金利の低さ」と「将来の変動リスク」がトレードオフの関係にあります。

タイプ金利水準特徴
変動金利型最も低い半年ごとに金利見直し。「5年ルール」「125%ルール」で急激な負担増を緩和
固定金利期間選択型中間3〜10年など一定期間は固定。期間終了後は再選択(多くは変動金利に移行)
全期間固定金利型最も高い完済まで金利が変わらない。代表例はフラット35
表示金利は「基準金利」であることが多く、実際に適用されるのは審査で決まる「優遇幅」を引いた後の金利です。年収や勤務先などによって優遇幅は変わるため、事前審査を受けてみないと正確な適用金利は分かりません。
団体信用生命保険(団信)
万が一の保障内容を確認する

団信は、契約者が死亡・高度障害状態になった際にローン残高が保険金で完済される仕組みです。多くの金融機関でローン契約の条件になっています。

一般団信(基本保障)

死亡・高度障害のみを保障。保険料は金利に含まれており、追加費用は基本的にかかりません。

疾病保障付き団信

がん・3大疾病・8大疾病などを追加保障。多くの場合、金利に0.1〜0.3%程度が上乗せされます。

団信に入れない場合の選択肢

持病などで団信の審査に通らない場合、加入条件が緩和された「ワイド団信」(金利+0.3%程度が目安)や、団信加入が不要な「フラット35」を検討する方法があります。

💡 既に生命保険に加入している場合、団信と保障が重複することがあります。住宅ローンを組むタイミングは、生命保険の必要保障額を見直す良い機会でもあります。

審査期間・通りやすさ
銀行によって実態が異なる

住宅ローンの審査は「事前審査(仮審査)」と「本審査」の2段階です。書類に不備があると再提出が必要になり、想定より時間がかかることがあります。さらに、審査にかかる期間だけでなく、そもそも審査に通るかどうかも金融機関によって差があります。

1
事前審査(仮審査)
数日〜1週間程度。物件契約前に借入可能額の目安を確認する
2
本審査
1〜3週間程度。団信の審査も同時に行われる
3
融資実行
本審査承認から3週間以上あけるのが一般的。年末年始をまたぐと遅れやすい
物件の引き渡し時期が決まっている場合は、審査期間を逆算してスケジュールを組みましょう。書類の代筆は認められないため、必要書類は早めに準備しておくのが安心です。
銀行タイプによって「期間」も「通りやすさ」も異なる

上記はあくまで一般的な目安です。実際には金融機関の種類・審査体制によって、審査にかかる期間だけでなく、同じ属性でも通りやすさ(審査基準の厳しさ)にも差があります。

銀行タイプ期間の傾向通りやすさの傾向
メガバンクやや長め・ばらつき大厳しめ。年収・勤続年数・雇用形態を細かく審査
地方銀行・信用金庫やや長め地域密着で個別事情を考慮しやすく、比較的柔軟な傾向
ネット銀行短めだが書類不備に弱い勤続年数が短くても間口は広いが、機械的な審査で融通は利きにくい
フラット35本審査は短め雇用形態・勤続年数を問わず通りやすい。ただし物件側の基準あり

同じ銀行タイプの中でも、同一銀行の支店ごとに対応が異なる繁忙期(3〜4月の新生活シーズン)は審査が長引きやすいなど、公式サイトの目安通りに進まないことは珍しくありません。また審査基準は非公表のため、「自分にとって通りやすい・早い銀行」は申し込んでみないと分からないのが実情です。

対策:事前審査は複数の金融機関に同時に出す
事前審査は基本的に無料で、複数の銀行に同時申込しても問題ありません。タイプの異なる2〜3行(例:メガバンク+ネット銀行+フラット35)に同時申込することで、「どこが早く進むか」だけでなく「どこなら通るか」も比較しながら本審査に進む銀行を絞り込めます。スケジュールに余裕がない場合や、勤続年数・雇用形態に不安がある場合ほど、この方法が有効です。
その他の比較ポイント
諸費用・手数料

事務手数料・保証料は金融機関によって定額型/定率型があり、総額で数十万円の差が出ることも。

繰上返済のしやすさ

ネット銀行は手数料無料・少額から繰上返済できるケースが多い一方、対面型銀行は手数料がかかる場合も。

借入可能額と返済負担率

年収に対する返済負担率(一般的に25〜35%が目安)は金融機関ごとに審査基準が異なります。

トータルコストで比較する

金利・団信・諸費用をすべて含めた総支払額で比較するのが後悔しない選び方です。

まとめ
  • 表示金利は「基準金利」。実際の適用金利は審査後でないと分からない
  • 団信は保障内容と上乗せ金利のバランスで選ぶ。持病がある場合はワイド団信・フラット35も選択肢
  • 審査の期間・通りやすさは銀行タイプ・支店・時期によって実態差が大きい。事前審査は複数行に同時申込して比較するのが有効
  • 金利だけでなく、諸費用・繰上返済のしやすさまで含めたトータルコストで比較する
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※ 本記事は一般的な制度・商品性の解説です。実際の金利・条件は金融機関により異なります。詳細は各金融機関にご確認ください。